血清エステラーゼの多型現象とその育種学的研究 : I. マウスおよびラットにおける血清エステラーゼの電気泳動像について
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概要
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血清エステラーゼの多型現象とその遺伝,生理的調節機構を明らかにすることを目的として,まず澱粉ゲル電気泳動法によって分離検出されるマウスおよびラットの血清エステラーゼ泳動像について検討を行なった.1) 血清エステラーゼ泳動像は系統および個体によってかなりの変異を示すが,マウスでは13本,ラットでは14本の活性帯が分布する.2) Es-14およびEs-15活性帯がラットでは認められ,系統および個体的にかなり変異している.マウスで検出されるEs-6活性帯は,ラットでは認められない.3) 血清エステラーゼの活性濃度は系統および性によってかなり変異しているが,マウスおよびラットともにEs-3〜4活性帯は全体の約40〜50%,Es-13活性帯が9〜17%を占めていて,血清エステラーゼの主要な活性帯を構成している.4) 基質特異性および阻害剤の実験結果からEs-9, Es-13, Es-14およびEs-15活性帯はpseudo-choline sterase, Es-10活性帯はaliesteraseならびにEs-3〜4活性帯はalbuminと結合しているarylesteraseの一種であることが判明した.
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