妊娠牛への低栄養が産子の生時体重,増体および小腸粘膜二糖類加水分解酵素活性に及ぼす影響について
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概要
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1. 妊娠後期における低栄養が産子の生時体重,出生後の増体量および消化機能の発達,とくに小腸粘膜のラクターゼとマルターゼの両活性に及ぼす影響について検討を加えた.2. 14頭の黒毛和種妊娠牛を供試した.妊娠後半に標準の養分量を給与し体重を順調に増加させた処理区(5頭:MG区)に対して,養分の給与量を減らして体重をほぼ維持させた処理区(6頭:LG区)と大きく減少させた処理区(3頭:VLG区)を設定した.各区の妊娠131日から分娩直前までの体重の平均増減量はそれぞれ52kg,0kg,-47kgであった.子牛は生後4日目に母牛から離した.その後子牛には日量400g(〜13日齢),600g(14〜20日歯令),800g(21日齢〜屠殺前日)の代用乳を給与し,乾草と濃厚飼料は自由次採食させた.そして28〜32日齢で屠殺した.3. 子牛の生時体重はMG区とLG区との間にはほとんど差はなかったが,VLG区ではMG区に比べて有意に小さく(P<0.05),母牛の低栄養の影響がうかがわれた.しかし,出生後1か月齢までの増体量および飼料の採食量には各区の間に有意な差は認められなかった.一方,VLG区の子牛の小腸粘膜のラクターゼ活性は他の2区に比べて著しく高く(P<0.05),マルターゼ活性も有意に高かった(P<0.05),VLG区の子牛のこのような高い酵素渚性はおよそ小腸全体にわたって認められた.28日齢における代用乳摂取後の血漿グルコース濃度の上昇はVLG区の子牛で著しく高く(P<0.05),同子牛の高いラクターゼ活性を反映したものであろうと考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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