早期離乳子牛におけるcarbohydrase活性の小腸内分布
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概要
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早期離乳にともなう飼料採食量の増加が子牛の小腸粘膜carbohydrase活性におよぼす影響を調べた.用いた4頭の子牛(黒毛和種)は6週齢で離乳し,26週齢で屠殺した.この間,毎日午前9時に濃厚飼料と乾草を十分な量給与して自由に採食させ,また,屠殺は午後1時から実施した.酵素活性測定のための粘膜は,小腸を四等分してその各中央部からそれぞれ採取した.また,小腸各部位からと盲腸および結腸からpH測定のため内容物を採取した.得られた分析結果は同週齢の3頭の哺乳子牛の結果(既報)と比較した.早期離乳子牛の盲腸内容物のpHは哺乳子牛に比べて明らかに低く,ルーメン発酵を免れて盲腸に達した可溶性炭水化物が多かったことを示している.しかし,早期離乳子牛のmaltaseやisomaltaseの活性は哺乳子牛とあまり変わらなかった.ただ,maltase活性の小腸内分布をみると哺乳子牛では小腸下部で高くなる傾向が認められたのに,早期離乳子牛では比較的高い活性が小腸全体に一様に観察された.小腸に流入するでんぷんやその加水分解産物の増加にともない,その消化吸収部位の変化を示唆するものであろう.早期離乳子牛のlactase活性は哺乳子牛と変わらず,離乳の影響はまったく認められなかった.また,小腸粘膜には低いながらもdextranaseおよびamylaseの活性が認められた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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