アルファルファ幼苗を用いた茶園土壌からのCylindrocladium scoparium菌の検出
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概要
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1. 土壌中のCylindrocladium scoparium菌の検出に際して,アルファルファの幼苗はぎわめて好適な指標植物になるとのBUGBEEおよびTHEISらの報告に基づき,本方法が茶園土壌中に生息する2種のCylindro-cladium属菌についても適用しうるかどうかを検討した。<BR>2. 湿室中における接種試験の結果,C.scoparium菌は各種の条件下でアルァルファ幼苗に強い病原性を示したが,C.parvum菌の病原性は認められなかった。C.scoparium菌を土壌に接種した場合も,アルァルファ幼苗は激しく発病した。<BR>3. アルァルファ幼苗の発病は24〜28℃で最もはやく,接種後4〜5日で大部分の幼苗は地ぎわから軟腐し,倒伏するとともに,茎の一部または全面に多数の分生胞子が形成された。幼苗の品種間には発病の差異が認められなかった。土壌に対する接種量と発病の間には多少の量的な関係が認められた。<BR>4. 茶園土壌中からの大多数の糸状菌はアルァルファ幼苗に対して,ほとんど病原性を示さなかったが,1種のFusarium菌には,かなり強い病原性が認められた。<BR>5. 3種類のクローバー類の幼苗はアルァルファと同様にC.scoparium菌によって激しく発病し,とくに"テトラレッド"種の赤のクローバーは指標作物として好適な性質を備えていることが明らかとなった。<BR>6. 本法により接種土壌中または自然汚染土壌中からC.scopurium菌を容易に検出することができ,今後本方法は茶園土壌中のC.scoparium菌の生態研究の多数の場面で活用でぎるものと考えられる。
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