はさみ摘み茶園における茶芽の垂直分布
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
はさみ摘み茶園における茶芽の垂直分布について,一番茶の発芽時と摘採期に調査した。はさみ摘み茶園における一番茶芽は株面からの深さ約3cm以上め位置から,多く発生し,また,それらの芽を株面の直上部で摘採した場合,全摘芽重の70〜80%は深さ0〜2cmの間から発生した芽によって占められた。<BR>これらのことから,かかる茶園において,あらかじめ調査芽を抽出する場合は,株面から深さ0〜2cm付近の芽をとるのが適当で,深さ3cm以下がら発芽するものは,がいして伸びも少なく,また,摘芽となる割合も低いものと考えられる。函1のように調査材料によって,茶芽の垂直分布に,若干の差異がみられたことから,種々の栽培環境あるいは品種を異にした場合について,さらに検討する必要がある。<BR>発芽時ごろにおける調査の結果では,一応,肉眼的に認められる幼芽のうち,発芽したものはその約30%以下で,発芽可能な芽は,がいして表層近くに分布する傾向がみられた。一般に生葉収量は,芽数と芽重によって決まるが,従来の研究結果では,芽数の影響が強いことが示されている。このことから不発芽に終わる幼芽をいか一にして発芽させるかが,今後,芽数増加への一課題となろう。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
関連論文
- チャの親木に対するしゃ光処理がさし穂の素質とさし木生育におよぼす影響
- 青紫色域除去光下における茶芽成分の春芽と夏芽の比較
- はさみ摘み茶園における茶芽の垂直分布
- 春季における幼茶樹の生育に及ぼす地温ならびに気温の影響
- 茶葉の発達に及ぼす光質の影響
- 茶さし木苗における花蕾着生が、その後分枝におよぼす影響
- Evaluation of an Electronic Instrument for Estimating Plant Weight in the Young Tea Plant
- Studies on the Assimilation of Carbon in Tea Plant (Part 6):On the Apparatus for Measuring Gas-Exchange by Infrared Gas Analyser, and the Examination of Some Problems on Measurement of Gas-Exchange with the Apparatus
- Report of the Survey on the Dehydrate Injury of Tea Field in Kyushu and Shikoku District
- The Effect of Growth Regulators on Development and Growth of Tea Bud (Part 1):Retardation of Growth by Some Chemicals
- Morphological Study on the Growth of Tea Bud (Part 2):Differentiation and Developmental Process of Axillary Buds in Summer
- Recent Trend and Problems of Studies on the Photosynthesis of Tea Plant