子マウスの15日令体重および開眼期の変異に対する哺育環境の影響
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概要
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近交系,近交系間F1および無作為交配マゥスを用いて,母の哺育能力が子群の15日令体重および開眼時期の変異に及ぼす影響に関して調査した。得られた結果は次の如くである.1) 分散分析の結果,15日令体重および開眼時期のいずれにおいても,哺育母の哺育能力が大きな影響を及ぼし,子の遺伝性の違いにもとつく部分も有意であつた.他方性による相違およびこれらの間の相互作用は有意でなかつた.2) 15日令体重の変異は,いずれの群においても哺育環境が劣つた条件下において増加したが,とりわけ近交系群の変異の増加が著しかつた。3) 無作為交配群および近交系間F1群の開眼時期の変異は,劣つた哺育環境下において増加する傾向がみられた.他方近交系群の開眼時期の変異は,哺育環境の優劣に関係なく常に大きな価を示した.4) 近交系間F1および無作為交配群の15日令体重の変異は,哺育環境の変異が増加するにしたがつて増加した.これは,ヘテロ性の高い個体が,自己がおかれた部分的状態に対して適応力が高く,よりflexibleに発育する能力を有するためと推論された.
著者
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