豚における飼料の給与水準が消化率に及ぼす影響
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概要
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豚において,消化率測定上の変動要因の一つと考えられている飼料の給与水準特ついて,栄養価の異なる2種類の配合飼料を用いて検討した.供試飼料は,栄養価の低い飼料L(豚産肉能力検定飼料:乾物中DCP 12%,TDN 82%)と,栄養価の高い飼料H(市販の肥育用配合飼料:乾物中DCP16%, TDN 90%)の2種類で,1日あたりそれぞれ体重の2,3,4および5%の給与水準とした.供試豚は,ランドレース去勢雄8頭(体重23〜33kg)を4頭ずつ2群に分け,飼料LおよびHとも4×4のラテン方格法により,予備期間5日,採糞期間5日の全糞採取法により消化試験を実施した.その結果,飼料LおよびHとも,飼料の給与水準が高まるにつれ各成分の消化率は低下の傾向を示したが,その傾向は飼料Hに比較し飼料Lで明らかであった.すなわち,飼料Hでは各成分の消化率とも給与水準間に有意差は認められなかったが,飼料Lにおいては2%給与区に比較し5%給与区で乾物,NEFおよびエネルギーの消化率が5%水準で,粗繊維の消化率が1%水準でそれぞれ有意に低かった。栄養価についてみると,飼料Hでは給与水準区間に有意差は認められなかったが,飼料LではDE特おいて4%および5%給与区が2%給与区より有意(P<0.05)に,TDNにおいて5%給与区が2%給与区より有意(P<0.05)特それぞれ低かった.以上の結果から,飼料の給与水準と消化率との関係は,飼料の質によってその影響度合が異なり,栄養価の高い飼料に比較し,栄養価の低い飼料において,飼料の給与水準による影響が大ぎいことを認めた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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