誘蛾灯飛来茶害虫における誘殺数の季節的消長
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概要
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前報で得られた結果を用いて,当場の茶園内に設置された青色蛍光誘蛾灯に飛来した茶害虫31種類の季節的誘殺消長について検討した。結果は次のとおりである。<BR>1) トビモンオオエダシャク,チャエダシャク,アカシマメイガ,ナカアカシマメイガ,ナガチャコガネおよびヒメコガネは年1回の発生で,誘殺ピークはそれぞれトビモンオオエダシャクでは4月上旬,チャエダシャクでは11月下旬〜12月上旬,アカシマメイガでは7月中旬,ナカアカシマメイガでは7月中〜下旬,ナガチャコガネでは6月中〜下旬,そしてヒメコガネでは8月上旬に現れた。<BR>2) チャドクガ,エグリヅマエダシャク,テングイラガおよびアカイラガは年2回の発生で,誘殺ピークはそれぞれチャドクガでは7月中旬と10月下旬,エグリヅマエダシャクでは4〜5月と10月中〜下旬,テングイラガでは6月中旬と9月上旬,そしてアカイラガでは6月上旬と9月上旬に現れた。しかし,誘殺数はいずれの種類も2回目の方が多かった。<BR>3) ウスミドリメクラガメ,チャノウンモンエダシャクおよびトビイロフタスジシマメイガは年3回,ヨモギエダシャクは年3〜4回の発生で,誘殺ピークはそれぞれウスミドリメクラガメでは5月中旬〜6月上旬,6月下旬〜8月下旬,9月上旬〜11月中旬,チャノウンモンエダシャクでは6月上旬,8月上旬,9月下旬〜10月上旬,トビイロフタスジシマメイガでは5月下旬,7月中〜下旬,9月下旬〜10月上旬,そしてヨモギエダシャクでは6月上〜中旬,7月下旬〜8,月上旬,9月上〜中旬に現れた。しかし,その誘殺数はチャノウンモンエダシャクとヨモギエダシャクでは2回目と3回目,ウスミドリメクラガメとトビイロフタスジシマメイガでは2回目の発生が最も多かった。なお,ヨモギエダシャクの4回目の発生については誘殺数が少なかったためにそのピークは不明りょうであった。<BR>4) チャハマキは年4回,チャノコカクモンハマキは年4〜5回,チャノホソガは年5〜7回の発生で,誘殺ピークはそれぞれチャハマキでは5月中〜下旬,6月下旬〜7月中旬,8月上〜中旬,9月下旬〜10月上旬,チャノコカクモンハマキでは5月上〜中旬,6月中旬〜7月上旬,7月下旬〜8月中旬,9月中〜下旬,そしてチャノホソガでは4月上〜中旬,5月下旬〜6月上旬,7月中旬,8月中旬,9月中旬〜10月中旬に現れた。しかし,その誘殺数はチャハマキでは3回目と4回目,チャノコカクモンハマキとチャノホソガでは2回目と3回目の発生が最も多かった。なお,チャノコカクモンハマキの5回目およびチャノホソガの6回目と7回目の発生については誘殺数が少なかったためにそのピークは不明りょうであった。<BR>5) ゴマフボクトウは2年に1回,チャバネアオカメムシ,ドクガおよびイラガは年1〜2回の発生とみられるが,誘殺ピークはそれぞれゴマフボクトウでは8月下旬〜9月上旬,チャバネアオカメムシでは8〜9月,ドクガでは6月中旬〜7月下旬と9月下旬〜10月中旬,そしてイラガでは5月下旬〜6月中旬と8月に現れた。しかし,ドクガとイラガの誘殺数はともに1回目の発生が圧倒的に多かった。<BR>6) チャノミドリヒメヨコバイなど上記以外の10種類の茶害虫については,いずれも誘殺数が少なかったために,その季節的消長は不明りょうであった。