一番茶新芽における秋肥窒素と春肥窒素の肥効の解析
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概要
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一番茶新芽の生育と成分に対する秋肥窒素,春肥窒素の効果を分散分析法及び重回帰分析法により解析した。試験は砂耕法により行った。<BR>分散分析の結果では,新芽の生育,新芽への窒素移行量と秋肥窒素濃度,春肥窒素濃度との関係はともに統計的に有意であった。秋肥窒素転流量と秋肥窒素濃度,春肥窒素濃度との関係はそれぞれ1%,5%の水準で有意であった。また一番茶新芽のアミノ酸含右率は,秋肥窒素濃度,春肥窒素濃度とそれぞれ5%,1%の水準で有意であった。<BR>重回帰分析の結果では,秋肥窒素濃度,春肥窒素濃度に対する偏回帰係数は新芽の生育,窒素移行量,秋肥窒素転流量においては,秋肥窒素濃度に対するもののほうが春肥窒素濃度に対するものより大きく,一方,新芽の全アミノ酸含有率に関しては,春肥窒素濃度に対するもののほうが大きいことが明らかとなった。<BR>以上の結果より新芽の生育,窒素移行量,秋肥窒素転流量に対する貢献度は,秋肥窒素が高く,一番茶新芽の全アミノ酸含有率に関しては,春肥窒素の貢献度が高いことが統計的に示唆された。<BR>本報告の作成にあたり,ご校閲をいただいた農林水産省野菜・茶業試験場小菅伸郎技官に感謝の意を表します。
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