マウスの排卵および排卵卵子に及ぼすたん白質の給与レベルと給与日数の影響
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概要
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たん白質高レベルならびに低レベル飼料を給与後1日,10日,20日および30日から雄マウスを同居させ,膣栓が形成されたマウスについて,膣栓確認日,2日目,3日目および4日目の卵管内卵子数および形態的観察による異常卵の出現数を経日的に調査し,たん白質標準レベル飼料を30日間給与した場合と比較してたん白質の影響を検討した.用いたマウスや飼料ならびに飼養条件はすべて既報1)に示した通りである.得られた結果は以下の通り要約される.1) 排卵数は高•低両レベル飼料の給与の場合とも給与日数の長短にかかわりなく標準レベル飼料の給与マウスより少なかった.2) 異常卵は給与飼料中のたん白質レベルにかかわりなく出現するが,その数は高•低両レベル飼料の給与の10日後より増加した.3) 膣栓確認後4日間における卵管内の異常卵数はたん白質レベルにかかわりなく,膣栓確認後の日数の経過につれて増加の傾向にあったが,その傾向は高•低両レベル飼料の給与の場合に,より強かった.4) 異常卵を保育したマウスはたん白質レベルにかかわりなく認められたが,その数は高•低両レベル飼料の給与10日間以上のマウスで多い傾向を示した.5) 全卵子異常のマウスは標準レベル飼料の給与の場合には認められなかったが,高レベル飼料の給与マウスでは30日間給与以降,また低レベル飼料の給与マウスでは20日間給与以降のマウスに認められた.以上の結果,たん白質の過給ならびに減給による産子数の減少や膣栓保有のマウスが分娩に到らず分娩間隔が延長した一困は,排卵数の減少や異常卵の発生ならびに全卵子異常に起因する着床数の低下や不妊であることが判明した.
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