中核育種集団方式による肉用牛の改良
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
肉用牛の育種体系を検討する一環として、中核育種集団方式による改良について理論的に研究した.繁殖構造は,集団を育種集団と実用集団に区分して,この両集団で供用する種雄牛は育種集団で生産されるものとし,育種集団は閉鎖の場合と一部開放の場合とを想定した.選抜開始時の育種集団と実用集団の間の育種価の差は選抜開始後急速に実用集団に伝達される.このことは,この差が大きいほど選抜開始当初の実用集団の改良速度は大きいことを意味する.集団の改良速度に関与するのは育種集団に集積される選抜差のみであり,育種集団が閉鎖の場合には,実用集団で供用される種畜の選抜差は集団の改良速度には関与せず,育種集団と実用集団の間の改良の遅れを短縮する機能しか持たない.育種集団が一部開放の場合には,その程度によって,集団の改良速度に及ぼす各段階での選抜差の寄与は異なる.育種集団が閉鎖,一部開放のいずれでも,育種集団と実用集団の間の改良の遅れは実用集団の平均世代間隔の2倍を基本とし,実用集団で供用される種畜の選抜差の正負により,短縮したり,拡大したりする.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- 梅山豚の成長にともなう枝肉構成の変化
- ブタ4品種におけるエストロゲン受容体遺伝子の多型解析
- 梅山豚のミトコンドリア呼吸鎖酵素活性
- 日本のランドレース豚におけるハロセン感受性及びPHI多型と肉質との関連
- リアノジンレセプターのミスセンス突然変異に由来する豚ハロセン遺伝子のDNA診断と遺伝的多様性の予測
- 中核育種集団方式による肉用牛の改良