緑茶の火入れに遠赤外線加熱と直火加熱を併用した際の茶品質への影響
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概要
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遠赤外線加熱と直火加熱を併用すると,火入れの熱源が遠赤外線ヒーターの輻射熱と火入れ機釜面からの伝導熱に2分され,その分だけ釜面温度が低く設定されるので,茶が釜面接触時に過度に加熱されことが防がれるのに対して,直火火入れ処理では茶の加熱が釜面からの熱だけとなり,釜面温度が高く設定されるのため,一部の茶が釜面で過度に加熱されて焦げ,茶の焙じ香に量的差が生じ,これが同じ火入れ温度でも前者の香味は温和に感じられ,後者には火香が強く感じられる要因と成ったものと考えられる。しかし両火入れ処理とも処理中ほぼ同じ茶温に調節されているので,茶全体に加わる総熱量には差が殆ど無いことから,含有量の大きい水分,ビタミンC,カテキンには定量的に有意な差が現れなかったものと考えられる。<BR>火入れ作業工程での得失として,火入れの際には遠赤外線ヒーター加熱と直火加熱を併用することにより,火入れの際の排出茶温の調節が直火火入れよりも容易となり,それだけ作業性が高められた。また遠赤外線火入れと直火火入れとの間での,所要熱経費の差は僅かであった。<BR>本試験で香気成分分析に御協力頂いたお茶の水女子大学大学院生関和陽子氏,また茶の審査に協力頂いた川村翠香園関係の茶商の皆様,お茶の水女子大学,大妻女子大学学生の皆様,元農水省野菜茶試技官原利男・中田典男両氏に厚く感謝いたします。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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