カマンベールチーズの微生物に関する研究 : VI. カマンベールチーズの熟成中における微生物相とチーズ中の蛋白分解酵素活性の関連性について
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概要
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1. カマンベールチーズの熟成におけるかびおよび乳酸菌スターターの役割を検討するために,かびおよび乳酸菌スターター添加(対照,C-チーズ):かびスターター添加,乳酸菌スターター無添加(M-チーズ):かびスダーター無添加,乳酸菌スターター添加(L-チーズ)の3種のチーズを試作し,熟成期間中の微生物相およびチーズ抽出液の蛋白分解酵素活性を測定した.2. C-チーズは,熟成全期間を通じてスターターに由来するStr. lactisおよびStr. cremorisが優勢であった.M-チーズでは,原料乳から由来したと思われる野性のstr. lactis, Str,. thermophilusおよびStr. bovisが優勢であった.3. かびの菌蓋を除いた抽出液では,その蛋白分解酵素活性はC-チーズが最も高く,以下L-チーズ,M-チーズの順であり,特にC-チーズにおいて熟成22日後頃から,急速に蛋白分解酵素活性は高くなった.4. かびの菌蓋を含めた抽出液では,その蛋白分解酵素活性は,C-チーズ,M-チーズ共に熟成初期から高く,大差は認められなかった.5. スターターに由来するStr. lactisおよびStr. cremorisの優勢なチーズの抽出液の蛋白分解酵素活性は高く,それらの乳酸菌株は,低分子の窒素化合物の生成に重要な役割を演じていると考えられる.
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