カマンベールチーズの微生物に関する研究 : III. カマンベールチーズの微生物相におよぼす食塩の影響について
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概要
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1. 食塩を用いて微生物の生育を制御したカマンベールチーズを試作し,その微生物相の変遷を検討した.2. 食塩濃度の低いものほど,微生物相は複雑でスターター由来と考えられるStr. lactisおよびStr. cremorisが優勢である.食塩濃度が高くなるにつれ,Leu. dextranicumが優勢となる.3. チーズの部分により,表面に生育するかびの影響を受け,その微生物相は異なっている.すなわち,食塩濃度の低いチーズの表層部ではかびの生育がよくStr. lactisおよびStr. cremorisが多く,中心部にはLeu.dextranicumが多い.食塩濃度が高くなるにつれかびの生育が悪くなり,中心部と表層部の相違は少なくなりLeu. dextranicumが優勢となる.4. カマンベールチーズ熟成に主要な役割を果している細菌は,Str. lactis, Str. cremorisおよびLeu. dextranicumであると考えられ,乳酸桿菌などは菌数が少なくさほど重要な役割を果しているとは考えられない.
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