初生駒の溶血性黄疸と血液型との関係
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概要
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76頭の正常分娩母馬の血清中には凝集素,非定型抗体の存在するものがあるが,溶血素は全く存在しない.また過去あるいは最近に黄疽子馬を生産した母馬,また溶血素と非定型抗体の存在から黄疽子馬生産の可能性のある母馬41頭の血清中にはA1,C, P1, Q, E2,に対するものと思われる抗体(溶血素)が単一または複合した形で存在し,また母馬と子あるいは父馬との間にこれらの血液型に対する違和がみられた,P1を除いてこれらの血液型の出現頻度はかなり高い.これらの溶血素は初めて黄疽子馬を生産した場合は出産後急速に消滅するが,2回あるいはそれ以上の既応症のある場合はかなり長期間残存している.またこれらの血液型と発症産次との間にもある種の関係がみられる.このことは標準血清作製時の同種免疫の際にみられる抗原性の差と関連がある,著者らの血液型分類用抗血清はいまだ単一化されていないものがあるので,初生駒の溶血性黄疽と血液型との関係についてはいまだ問題が残されているが,黄疽子馬生産を予知する方法は出産直前に母馬がその子馬に対する溶血素を所有しているかどうかということである.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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