人工消化試験方法に関する研究 : III豚の胃粘膜におけるペプシノーゲン,塩酸等分泌細胞の分布について
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概要
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1) 豚の胃底腺部より16箇所を選び,夫々の粘膜が特別の方法で処理,固定され,5μの厚さの切片が得られた。尚,噴門腺部及び幽門腺部からも,夫々1箇所を選び,同じように処理された。2) シツフの試薬,ヘマトキシリン液,オーランチア液の順序に染色された。その結果主細胞及び核は紫色に,旁細胞は黄色に,副細胞,噴門腺部及び幽門腺部細胞並に粘液は赤色に,而も一つのプレパラートについてこれらが同時に染められ,区別された。3) 顕微鏡下,クロスミクロメーターを使用して夫々の細胞数が算定された。その成績から次のことが明らかになつた。3種細胞について縦の分布をみると,主細胞は腺底に多く,次いで腺体,線頚の順であり,旁細胞は逆に腺頻に多く,次いで腺体,腺底の順である。副細胞はその分布に一定の傾向がなく,全体として平均している。次に横の分布をみると,主細胞は噴門腺部よりに多く,副細胞は幽門腺部よりに多い。旁細胞については一定の傾向がみられない。そこでこれらをまとあてみると,主細胞は特に噴門腺部よりの胃底腺部腺底に多いと云える。尚,胃底腺部でも噴門腺部及び幽門腺部に隣接した部位では,夫々の部に特有な細胞があらわれている。
著者
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