酷暑時期に於けるアンゴラ兎の生理的変動に就て
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概要
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1 註アンゴラ種兎とニユージーランドホワイ下種兎に就て気温20°C内外の5月期と気温31°C以上の酷暑時期との間に於ける体温,呼吸数の変動を試験し,併せて酷暑時期剪毛及び酷暑時期に於けるビタミンB1注射の影響を試験した。2 5月期に比し酷暑時期にはマンゴラ種,ニユージーランドホワイト種兎共に体温の上昇,呼吸数の激増が認められる。之等の生理的変動中体温の変動では両種の差は認められないが呼吸数に於いては差を認める事が出来る。3 酷暑時期は体重増加の点よりみても家兎にとつて不良な環境である。4 アンゴラ種の酷暑時期剪毛は体温,呼吸数の変動及び体重増加に著しい好影響を与える。その影響は剪毛15日後も尚持続されている。5 酷暑時期に体重1kgに対し1000γ相当量のビタミンB1をアンゴラ種に毎日皮下注射したが,体温,呼吸数の変動には何等影響を認めることが出来なかつた。然し体重増加には好影響が認められた。ニユージーランドホワイト種に同じく500γ相当量を注射した結果は影響を認める事が出来なかつた。終りに,この試験は文部省科学研究費によつて遂行した。尚試験に協力された研究室員赤木昭治,木下眞,堀内和典の三氏及び農場畜産関係の方々に謝意を呈します。
- 社団法人 日本畜産学会の論文