濃厚飼料多給時における第一胃内VFA生産について
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概要
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濃厚飼料を多給した際の第一胃内VFA生産についての知見は非常に少ないので,第一胃フィステルを装着したホルスタイン種育成雌牛を用い,ポリエチレン•グリコールと14C-酢酸ソーダの1回投与法により,濃厚飼料のみ,あるいは一部乾草を給与した場合の第一胃内で生産されるVFAについて測定を行った.1) 濃厚飼料のみを給与した場合には,乾草を同時に与えた場合に比べて,pHは著しく低下し,最低4.5を示した.VFA濃度は日内変動が大きいが,最高200mM以上の値を示し,VFA組成は日間変動,個体差が大きく不安定であった.2) pHとVFA組成との間に有意な関係が認められ,pHが5.2〜5.4付近で酢酸割合が最低になり,プロピオン酸,吉草酸割合は最高値を示した.カプロン酸はpHが低下するに従って増加する傾向にあったが,酪酸割合は有意な関係が認められなかった.3) 乾草と濃厚飼料を同時に与えた場合には,摂取された可消化エネルギーの約50%が第一胃内でVFAに変換されるのに対し,濃厚飼料のみを長期間給与した場合には,33.5〜41%に抑制されることが示唆された.
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