鹿児島県と沖縄県の茶園における2004年の台風被害と被害低減要因
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概要
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2004年に鹿児島県南西部沿岸地域の茶園では,5回の台風による甚大な被害が大規模に発生した。被害を受けた成園では秋冬番茶の収穫が皆無となった。また新植茶園では多数の幼木が枯死した。<BR>農家圃場の調査から,新植茶園ではソルガムを各うね問に間作(1.8m間隔)すれば,台風の強風や潮風による枯死被害を最小限に抑えられることが明らかとなった。2うねごと(3.6m間隔)や3うねごと(5.4m間隔)の間作では,潮風害や強風害の防止効果が大幅に低下した。<BR>定植後2年目の新植茶園ではソルガム間作がほとんど行われていなかったため,甚大な被害が数多く発生した。しかし2年目もソルガムを間作していた事例では枯死を回避できており,台風常襲地域の新植茶園では定植後2年目もソルガム間作を続ける必要があると考えられた。<BR>成園では潮風害を受けると翌年の一番茶も減収し,減収率は6〜28%と見積もられた。<BR>台風来襲頻度の高い地域の新植茶園では台風対策が不可欠といえ,台風対策としてはソルガム間作の効果が高いと考えられた。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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平松 紀士
沖縄県農業研究センター名護支所
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上園 浩
鹿児島県農業開発総合センター茶業部
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岡本 毅
独立行政法人農業・食品産業技術研究機構 野菜茶業研究所
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折田 高晃
鹿児島県大隅地域振興局農林水産部
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玻名 城晋
沖縄県農業研究センター名護支所