原料乳のLipolysisに関する検査におけるフェノールレッド法の利用について
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概要
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ヘプタン•イソプロパノール•1N硫酸混液(100:100:8)により遊離脂肪酸を抽出し,その1mlを比色用セルに採り,窒素吹込みにより炭酸ガスを除去した後,フェノールレッド指示薬を分注器により2ml加え,窒素通気により攪拌後分光光度計で比色をした.クエン酸,水酸化ナトリウム,カゼインの影響は受けないが,乳酸,蟻酸,酢酸により影響された.乳酸の場合,酸度0.01%の増加によりパルミチン酸0.01mg/mlに相当する吸光度の低下を示した.低濃度の遊離脂肪酸を比較的簡単に,高感度で測定することができるし,搾乳直後の牛乳は乳酸をほとんど含まないので,原料乳のlipolysisを検討するための方法として適当であった.分房乳,個乳について,搾乳直後の遊離脂肪酸量はほぼ同程度であるが,24時間冷蔵により増加する程度が個体により差があり,また,分房によっても差を示す場合が認められた.個乳について,泌乳期を3ヶ月毎に区分して平均すると,遊離脂肪酸の増加(パルミチン酸mg/ml)は,0〜3ヶ月(13例)0.09±0.03,4〜6ヶ月(7例)0.22±0.04,7〜9ヶ月(10例)0.25±0.03,10〜12ヶ月(4例)0.26±0.04であった.
著者
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