誇りと尊重が集団アイデンティティおよび協力行動に及ぼす影響―医療現場における検討―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
医療機関では,安全で質の高い医療サービスの提供が求められている。そのためには,医療機関のスタッフが,職種の異なるスタッフと協力することや,自発的に役割外行動に従事することが不可欠である。本研究の目的は,社会的アイデンティティ理論に基づき,看護師が安全で質の高いサービスを提供する心理過程について検討することである。調査対象者は看護職者217名であった。分析の結果,以下のことが示された。(1)自分の職種に誇りを感じることと同僚から尊重されることの両方が職種アイデンティティを増加させ,職種アイデンティティは協力行動を増加させた。(2)また,同僚から尊重されていることは役割外協力行動を増加させた。(3)さらに,職種アイデンティティは職種間協力行動を増加させ,病院アイデンティティは病院への定着意志を増加させた。以上の結果から,安全で質の高いサービスを提供するためには,看護師が職種と病院の両方に同一視することが有益である可能性が示唆された。
著者
関連論文
- 大学生におけるソーシャル・サポートと恋愛関係崩壊からの立ち直りとの関連
- 企業組織における管理監督者と組合リーダーによるリーダーシップの効果
- 対面、携帯電話、携帯メールでのコミュニケーションが友人との関係維持に及ぼす効果 : コミュニケーションのメディアと内容の適合性に注目して
- 誇りと尊重が集団アイデンティティおよび協力行動に及ぼす影響―医療現場における検討―
- リーダーシップとプロトタイプ性が集団成員のモラールとリーダー知覚に及ぼす効果
- 企業組織における職制上司と組合役員のリーダーシップの効果に関する検討
- 患者満足度を規定する要因の検討 ―医療従事者の職種間協力に着目して―