終末期がん患者の神経障害性疼痛に対するガバペンチンの有効性と長期投与での安全性
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概要
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終末期がん患者の神経障害性疼痛に対するガバペンチンの鎮痛効果, 適切な投与方法, 安全性を明らかにするため, 200X年11月から200X+2年10月に淀川キリスト教病院ホスピスでがんに伴う神経障害性疼痛に対しガバペンチンを投与した患者の観察研究を行った. numerical rating scale (NRS)で疼痛評価し, 投与前, 1週間後, 維持投与時のNRSをWilcoxonの符号付順位和検定で比較検討した. 調査を開始した44名中19名が投与終了まで調査可能で, 投与期間平均52.0日, 死亡まで平均67.2日であった. 1週間後の投与量は平均358 (200〜1,200) mg/日, 維持投与開始は平均11.6日, 維持投与量は平均463 (200〜2,400) mg/日で男性620 mg/日, 女性289 mg/日であった. NRSの平均値は投与前5.7, 1週間後 2.1 (p<0.001), 維持投与時1.9 (p<0.001)で, 有意に低下した. 57.9%で副作用を認め, 眠気52.6%, せん妄5.3%, 振戦5.3%であった. ガバペンチンを少量から副作用に注意して調整することで, がんに伴う神経障害性疼痛に対し鎮痛効果が得られ, 終末期でも長期間安全に投与可能である. Palliat Care Res 2011; 6(1): 101-108
著者
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