管腔器材を用いた各種洗浄法の判定
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概要
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鏡視下手術の増加により,管腔器材の確実な洗浄は滅菌保証の観点からも重要である.今回,管腔を有する実験器材を用い洗浄の評価を実施した.器材は,長さ40 cm,I群はシリコン製管(内径4 mm)・II群はステンレス管(内径2 mm)とし,各々編み込み式ワイヤーを入れた.人血をI群に各1 cc,II群に各0.5 cc注入し19時間40分放置した.I・II群各5本をA〜Eの方法で洗浄した.A法・B法は1%酵素系弱アルカリ洗剤で30分浸漬洗浄した.さらにA法は,ワイヤーを管腔から抜きウォッシャーディスインフェクタ超音波槽で洗浄し,B法は,A法と同条件で水流式ウォッシャーディスインフェクタ下段にて洗浄した.C法は,真空超音波・吸引・噴射機能付き管腔洗浄機,D法は吸引付き管腔専用洗浄機を用いた.C法・D法は,前浸漬洗浄は実施せず,また管にワイヤーを挿入したまま洗浄した.E法は,A法と同様の浸漬洗浄後,ワイヤーを管腔から抜き用手洗浄後,ウォーターガンで内腔のすすぎを十分実施した.洗浄効果は,ナイスチェック応用法で判定した.抽出液は,比色計を用いて計測し残留蛋白量で数値化し,5本の平均残留蛋白量を求めた.各法のI・II群残留蛋白質量(μg)は,A法(141・154),B法(1410・707),C法(5・2),D法(14・5),E法(2426・129)であった.C法・D法の管腔洗浄機にて洗浄した群は格段に残留蛋白値が低く,洗浄効果が高いことが示された.
- 日本環境感染学会の論文
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