育成天然林施業がやんばるの森の腐朽木に生息する捕食性アブ類 (双翅目) 群集に与える影響
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概要
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沖縄本島北部の森林の除伐が腐朽木に生息する捕食性アブ類群集に与える影響を明らかにするため, 国頭村西銘岳周辺において, 林床に存在するさまざまなサイズ・腐朽度合いの腐朽木の体積, および, それらから発生する捕食性アブ類の個体数を調査した。未除伐林とその後の経過年数が異なる除伐林が入り混じる森林では, さまざまなサイズと腐朽度からなる腐朽木が不均一に分布しており, それによってそれぞれの林分で生息する捕食性アブ類の個体数が異なった。また, 捕食性アブ類の科構成は除伐後 1 年経過した林分と除伐後 7 年以上経過した林分で異なった。羽化トラップで得られた捕食性アブ類は腐朽木の体積に対応して増減し, アシナガバエ科の個体数も同様に増減した。特に, 除伐による, 腐朽度合いが軽度の腐朽木の大量発生は, キクイムシ類を介して, キマワリアシナガバエ属 Medetera の個体数に対する間接的なボトムアップ効果があると考えた。沖縄本島北部では, 林内の腐朽木の体積が大きく変動することなく, かつ, 異なるサイズと腐朽度合いの腐朽木が存在するような森林管理が捕食性アブ類の多様性を維持すると考えた。
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