ガスクロマトグラフ質量分析法及び顕微分光測光法による普通紙に印刷された顔料系インクの識別
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概要
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法化学分野では偽造通貨や偽造文書を作成したプリンターを,非破壊分析法により特定することが強く望まれている.そこで,印刷物に残留する顔料系インクの溶媒を印刷物から削り取ったり切断したりせずにメタノール抽出した後にガスクロマトグラフ質量分析装置(GCMS)で測定した.その結果7種類の化合物をGCMSで定性分析することができた.トリメチロールプロパン(TMP)がプリンターの識別に重要な化合物であることが示された.4機種のうち2機種のインクでTMPが検出され,残り2機種については検出されなかった.次に,メタノール抽出した印刷物を更にジクロロメタンでイ***ーを抽出した後に,マゼンタ部分の可視吸収スペクトルを顕微分光分析装置で測定した.一次微分スペクトルの波形からも二つのグループに分類できた.一つのグループは一次微分スペクトルの極大波長が510 nmと545 nmで,もう一つのグループのそれは520 nmと555 nmであった.GCMSと顕微分光装置の結果から,エプソン製4機種のインクジェットカラープリンターの顔料系インクを明確に識別することができた.
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