介護老人保健施設における認知症高齢者の救急搬送について
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概要
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【目 的】 介護老人保健施設 (老健) では認知症高齢者が急増しており, 高齢者の医療費の高騰は重要な社会問題と考えられる. 今回老健からの救急搬送例の受入れと結果を検討した. 【対象と方法】 当施設で経験した過去4年半で71例の高齢認知症救急搬送例が対象. アルツハイマー型認知症52例, 脳血管性認知症19例, 男性31例, 女性40例, 年齢は69〜96歳平均84.5歳. 救急搬送例の症状は持続的発熱32例, 意識障害18例, 呼吸障害5例, CPA4例などの切迫した状態であった. 【結 果】 71例中60例 (85.9%) が連携後方病院に搬送され, それ以外の症例も, 他の病院の受入れは良好であった. 診断は通常肺炎20例, 誤嚥性肺炎16例, CPA7例, 急性心不全 5例, 脳出血 3例, 心筋梗塞, 脳梗塞各2例など死に至る病が多かった. 搬送後死亡例は43例 (60.6%) であり, 特に当日死亡12例の平均年齢は91.8歳と超高齢であった. 生存28例中21例 (75%) が当施設に再入所した. 【結 語】 90歳以上超高齢認知症例の急変時は老健における看取り制度を導入すれば, 高齢者医療費節減, 認知症高齢者の尊厳確保にも貢献できる.
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