体幹部定位放射線治療後に局所再発を認めsalvage surgeryを施行したI期肺癌の1例
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概要
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背景.Stage I の肺癌に対して体幹部定位放射線治療(stereotactic body radiotherapy:SBRT)を行い,治療後の局所再発に対して切除術を行った症例を経験したので報告する.症例.62歳女性.左背部痛を主訴に近医を受診し,左後腹膜腫瘍を指摘され当院へ紹介された.全身検索で右肺下葉に直径2.5 cmの肺腫瘍を認めた.生検にて左副腎近傍の後腹膜腫瘍はdiffuse large B-cell lymphoma,肺腫瘍は腺癌と診断された.左後腹膜のリンパ腫が長径8 cmと大きく,発熱・全身倦怠などリンパ腫による症状が強いためリンパ腫に対する化学療法を先行した.R-CHOPを8コース施行後再度肺癌につき全身検索を行ったところ,腫瘍の大きさに変化はなくT1N0M0 stage IAであった.両側副腎近傍の後腹膜リンパ腫が残存しており化学療法が継続予定であることや,化学療法に伴う汎血球減少症がみられること,化学療法後にて体調不良が認められたこと(ECOG performance status 2)から耐術能に問題ありと判断し,肺癌に対しては48 GyのSBRTを行った.その後CHOPを3コース行いリンパ腫は寛解状態を保ち,肺癌も明らかな再発を認めなかった.SBRT後約3年で右下葉のSBRT後の放射線線維症の周辺に多発結節影が出現し,これを針生検したところ腺癌と診断された.肺癌の局所再発と診断し右下葉切除を行った(pT4N0M0 stage IIIB).術後経過は良好で,術後10ヶ月経過した現在まで明らかな再発を認めていない.結論.耐術能に問題があるI期肺癌においてSBRTは有用な選択枝であるが,局所再発に対する厳重な経過観察が必要である.
著者
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