潰瘍性大腸炎に合併し診断に難渋した劇症型アメーバ性大腸炎の1例
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概要
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症例は55歳,男性.持続する下痢と下血を主訴に入院.以前より潰瘍性大腸炎に対し治療継続されていたが症状は軽度であった.入院時の大腸内視鏡検査で,S状結腸に汚い潰瘍性病変が認められたが,病理組織検査は未施行で,潰瘍性大腸炎再燃を疑いステロイドを増量し治療継続した.症状の遷延を認めたため,第38病日,再度大腸内視鏡を施行すると,上行結腸に膿状の汚い多発潰瘍を認め,病理組織検査にてアメーバ性大腸炎と診断しmetronidazole投与を開始した.しかし,第47病日,大量下血をきたしたため結腸亜全摘,回腸瘻造設術を緊急的に施行した.摘出標本からアメーバは検出されなかったが,上記経過と併せ潰瘍性大腸炎に合併した劇症型アメーバ性大腸炎と診断した.術後より敗血症性ショックとなったが徐々に改善,第127病日独歩退院となった.診断に難渋するような慢性下痢·下血例に対し本疾患を念頭におき精査を進めることが重要であると考えられた.
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