ネフローゼ症候群における治癒判定の試み
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概要
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ステロイド剤 (ス剤) 感受性ネフローゼ症候群 (ネ症) 107例,合計589回の初発・再発後の寛解維持率をKaplan-Meier法にしたがって解析した。初再発後の寛解維持率は最初急速に低下したが,3〜4年後はほぼ横ばいとなった。この傾向は非頻回再発,頻回再発群でも,初再発時の年齢で区分した場合も,免疫抑制剤 (chlorambucil,cyclophosphamide) 併用の有無で分類した場合も同様にみられた。初再発後の寛解維持期間からみると,3年以上寛解を維持した場合75%以上が10年まで寛解を維持することができた。少量ス剤で長期間寛解を維持した場合も,中止後の寛解は高率に維持された。以上よりネ症においては3〜4年寛解を維持すればその後の再発は少なく治癒と考えられた。さらにその期間をス剤により作り出してもその後の再発が少ないことから,頻回再発型ネ症に対する少量ス剤やcyclosporin Aなどその効果が薬剤依存性の薬剤の維持投与は,可能であれば3〜4年続けることが望ましいと思われた。
- 日本小児腎臓病学会の論文
著者
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瀧本 浩幸
東京医科歯科大学 小児科
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水沢 慵一
東京医科歯科大学 小児科
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下田 益弘
東京医科歯科大学 小児科
-
竹田 篤
東京医科歯科大学 小児科
-
吉野 篤範
東京医科歯科大学医学部小児科学教室
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新村 文男
東京医科歯科大学医学部小児科
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大串 博章
東京医科歯科大学医学部小児科学教室
-
松谷 秀智
東京医科歯科大学医学部小児科学教室
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吉野 篤範
東京医科歯科大学医学部 小児科
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大串 博章
東京医科歯科大学医学部 小児科
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新村 文男
東京医科歯科大学医学部 小児科
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下田 益弘
東京医科歯科大学医学部 小児科
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松谷 秀智
東京医科歯科大学医学部 小児科
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瀧本 浩幸
東京医科歯科大学医学部 小児科
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