痔核根治手術後の創部組織血流量の変動より見た創傷治癒過程とその意義
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概要
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痔核手術後の30人(男性13人,女性17人)について創傷部位の組織血流量とサイトカインの測定を行い,創傷治癒過程の同定を行った.術後の組織血流量は,術前値の27%まで低下し,術後1∼5日までは変化はみられなかった(炎症期).6日目から12日までは増加を示し(増殖期),13日より24日まではプラトーとなり(組織再構築期),25日以降は低下した(成熟期).炎症期と増殖期前半に血漿フィブリノゲンと血管内皮細胞増殖因子が相関を持って増加した.この間,組織型,ウロキナーゼ型プラスミノゲン·アクチベータの活性の増加も認めた.炎症期より組織再構築期の中盤まで血小板由来増殖因子は活性化し,その後もトランスフォーミング増殖因子の活性は持続し,活性低下とともに成熟期に達した.このように痔核手術後の創傷にもサイトカインは相互,連続的に作用し,その創傷治癒過程の中で創部の腫脹,易出血時期が存在することが推測できた.
- 日本大腸肛門病学会の論文
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