ステロイド治療に抵抗しシクロスポリン併用にて寛解維持を得た自己免疫性肝炎の1例
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概要
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症例は50歳女性. 肝機能障害のため当院受診し, 自己免疫性肝炎重症化の診断でメチルプレドニゾロン大量療法を開始した. 肝障害は軽快したためステロイドを漸減, プレドニゾロンへ変更し外来管理していたが, ステロイド減量に伴い肝障害が再燃した. アザチオプリン (AZA) 100mgを併用するも軽快せず, 再入院となった. 再度ステロイド大量療法を行い寛解導入され, AZA併用下でステロイドを漸減し退院した. その後肝機能再増悪を認めたため, 第3回目の入院となった. 既に大量のステロイドが投与され, ステロイド減量に伴い再燃することから, 併用薬をシクロスポリンA 125mgに変更した. 変更後は再燃なく外来にてステロイド減量中である. 自己免疫性肝炎では約10%の患者が治療抵抗性を示し, ステロイドが有効であった患者でも副作用により治療継続不可能な例が存在する. このような症例に対してシクロスポリン併用療法が有効であると考えられた.
著者
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伊藤 敬義
昭和大学第二内科
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井廻 道夫
昭和大学第二内科
-
中野 雅行
国立病院機構千葉医療センター
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高橋 正一郎
富士吉田市立病院内科
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高橋 正一郎
富士吉田市病院 内科
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金 民日
昭和大学第2内科
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三木 洋幸
昭和大学第2内科
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井廻 道夫
昭和大学第2内科
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伊藤 敬義
昭和大学第2内科
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