国際化する鍼灸:その動向と展望 : (1)欧米における普及と臨床研究の進歩
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
東アジアで発祥し発展してきた鍼治療は欧米先進国にも普及しており,今や国際化していると言ってよい.鍼治療の臨床評価に関する政策・研究助成金・論文発表の面から見れば,むしろ欧米諸国のほうが日本より進んでいる.欧米では,医療全体に普及している Evidence-Based Medicine (EBM) の概念に則って鍼の臨床評価が推進され,東アジア諸国は近年その必要性を認識して追随してきているというのが現状である.近年ではランダム化比較試験にもとづいて,有効性のエビデンスが有望とされる症状や疾患が増えつつある.また,多数の患者を対象とした前向き調査にもとづいて,標準的な鍼治療で重篤な有害事象が起こることはまれであることが確認されている.いわゆる「EBM 的」な手法を用いて検証されることにより,鍼灸の研究には新たな展開が見られたが,一方で鍼灸独自の「システム」の臨床的意義については軽視される傾向がある.
- 日本補完代替医療学会の論文
著者
関連論文
- 精油の香りと嗜好が健常人の血圧・脈拍に及ぼす影響
- 第55回 全日本鍼灸学会学術大会(金沢) ワークショップ 安全委員会 より安全な鍼灸臨床のためのアイデア(1)
- メディカルアロマセラピーに関する鍼灸・柔道整復専門学校学生の意識調査
- 鍼灸 (相補・代替医療の現況をみる--日常診療で知っておくべき多種多様のCAMを解説します) -- (アジアの伝統医学)
- 国際化する鍼灸:その動向と展望 : (2)臨床研究方法論の問題と解決
- 鍼灸の安全性に関する和文献(9) : 皮膚科領域における鍼の有害事象
- 鍼灸の安全性に関する和文献(8) : 水銀塗布・内蔵直刺
- ワークショップ より安全な鍼灸臨床のためのアイデア(2)有害事象報告論文(2003-2006)および指サック・グローブ装着に関する議論 (第56回 全日本鍼灸学会学術大会(岡山))
- ワークショップ4(安全性委員会) 鍼灸安全性に関する既存のエビデンス(2) (第54回全日本鍼灸学会学術大会(福岡))
- 鍼灸安全性に関する既存のエビデンス(1)
- 鍼治療と両側性気胸
- ワークショップ 各国の鍼灸安全性ガイドラインの現状 (第51回全日本鍼灸学会学術大会)
- 筑波技術短期大学附属診療所における医療サービスの患者による評価--アンケート調査
- 穴位療法の基礎 : 鍼・灸・刺絡(学会シンポジウム,第58回日本東洋医学会学術総会)
- 総合討論
- 海外で発生した鍼灸有害事象に関する文献(2003-2006年) (第56回 全日本鍼灸学会学術大会(岡山)) -- (ワークショップ より安全な鍼灸臨床のためのアイデア(2)有害事象報告論文(2003-2006)および指サック・グローブ装着に関する議論)
- 特別講演 鍼灸と補完代替医療学(2)欧米に於けるAcupuncture事情と日本鍼灸の課題 (第55回 全日本鍼灸学会学術大会(金沢))
- あん摩業、はり業、きゅう業に係る施術所数ならびに就業者数の実態に関する調査研究--平成14年衛生行政報告例隔年第63表及び第64表の検証
- 鍼灸安全性に関する既存のエビデンス安全な刺鍼深度
- ワークショップ1 国内で発生した鍼灸有害事象に関する文献情報の更新(1998〜2002年)および鍼治療における感染制御に関する議論 (第52回全日本鍼灸学会学術大会(香川))
- 鍼治療による感染に関する報告について (委員会報告 鍼灸の安全性に関する和文献)
- 折鍼・埋没鍼 (委員会報告 鍼灸の安全性に関する和文献)
- 灸に関する有害事象 (委員会報告 鍼灸の安全性に関する和文献)
- 総論 (委員会報告 鍼灸の安全性に関する和文献)
- 透熱灸の温度と燃焼時間--艾〔シュ〕の密度および高さの影響
- 灸療による慢性健康障害をもつ病人のケア-3-問題点抽出のためのフィ-ルドワ-ク
- 灸療による慢性健康障害をもつ病人のケア-2-灸療を活用した東洋医学的ケアシステムの役割と課題
- 灸療による慢性健康障害をもつ病人のケア--耐久性に注目して
- 国際化する鍼灸:その動向と展望 : (1)欧米における普及と臨床研究の進歩
- 大学における刺法の教育について
- 大学における刺法の教育について(穴位療法の基礎-鍼・灸・刺絡, 第58回日本東洋医学会学術総会)
- 慢性腰痛症に対する皮内鍼治療臨床試験(探索的研究)
- 筑波技術大学東西医学統合医療センターにおける鍼灸治療の役割
- 高齢者の鍼治療による全身皮膚温分布の変化
- 日本鍼灸に関する東京宣言2011 : 21世紀における日本及び世界のより良い医療に貢献するために