腎生検による鑑別を必要とした腎外症候性腎炎の1例

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概要

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急性糸球体腎炎は通常, 溶連菌を始めとする感染症の既往の後に浮腫, 高血圧, 血尿の三主徴を伴い発症することが知られている。血清補体価の測定が普及している現在, 診断は比較的容易である。腎生検も通常行われることは少ない。一方以前より尿所見を全く伴わない, あるいは一過性に非常に軽度の尿異常のみしか呈さない症例が報告されている。これらは腎外症候性腎炎と表現されることが多い。今回, 我々は11歳男児, 腹痛, 呼吸困難, 浮腫, 高血圧を伴い鑑別診断のために腎生検を行い腎外症候性腎炎と診断した1例を経験した。臨床経過および組織所見の詳細を示す。原因不明の浮腫, 高血圧を認めた場合, 他の疾患を鑑別するとともに尿所見を認めなくても腎炎を疑い血清補体を測定することが診断の糸口になると思われた。腎生検については必須ではないが, 鑑別診断にて必要であれば積極的に施行すべきである。
日本小児腎臓病学会の論文

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