X線CTによる果実の内部品質評価

概要

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X 線CT による果実の内部品質評価の実用化を目指し, モモ, ナシ, リンゴのCT 画像を得, それぞれの断面を目視調査した結果から, 以下のような知見を得た.1) 核割れや芯腐れのような構造変化のみならず, 果肉の水分状態や打ち傷による空気層の有無に由来する内部品質を非破壊で知ることが可能であった.2) モモの褐変部位などの変色および水浸状の部位では, 正常な部位と比較して水分に見た目ほどの違いが無いため, 正常な部位との識別が困難であった.3) ナシのように食感が重視される果実に対しても, CT 画像から食感に関わる情報を得られる可能性が示された. また, このような果肉や水浸した部位は正常な果肉とCT 値に違いがあり, 判別が可能であることが示された.4) CT 画像と画像認識アルゴリズムを組み合わせることで, リンゴのみつの有無を非破壊で検査可能と考えられた.5) 果実中心を通る横軸方向の断面のCT 値の分布より, リンゴにおいては, 果実中心ほどCT 値が高く, モモやナシでは果実中心ほどCT 値が低いことが確認された.
2005-06-01