ハツカネズミ(Mus musculus)における人爲過剰排卵と過剰妊娠に関する二, 三の観察
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概要
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性的に成熟したハツカネズミ (Mus musculus) において, 血清性性腺刺戟ホルモン「セロトロピン」を10国際単位, 絨毛性性腺刺戟ホルモン「プリモゴニール」を5国際単位, 44時間の間隔を置いて投与した。この処理によって過剰排卵を誘起し, 多数の卵子を得た。排卵数は最高135個, 最少23個, 平均53.8個であった。これに対して対照区の成体雌における自 然排卵数は, 最高14個, 最少2個, 平均8.2個であった。2回の処理を終えて雄と交配した結果, 使用例数の82.8%の77例が交尾した。そのうち26の例の排卵数1397個につい細胞学的に観察した。その結果平均26.2個の卵子が受精し, 正常に発生を進行していることが認められた。着床後の観察は12日胎仔, 15日胎仔, 18日胎仔によって行なった。受胎数の平均は29.4頭であったが, 12日目までは着床した卵子の95.5%までは正常の胎仔として発育していた。その後, 胎仔は急激に死亡し, 15日胎仔では58.5%が生存しているにすぎない。 さらに18日胎仔に至り死亡胎仔は増加し, 出産を予想できる胎仔はほとんどなかった。
著者
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