シロネズミ (Ruttus norvegicus) における人為多数排卵とその受精に関する二•三の観察
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概要
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性的に未成熟, あるいは成熟したシロネズミ (Ruttus norvegicus) に, 血清性性腺刺激ホルモン「アンテロン」と絨毛性性腺刺激ホルモン「プリモゴニール」を44時間の間隔を置いて筋肉内に注射した。ホルモンの注射量は2種等量でそれぞれ20 i.u., 40 i.u., 80 i.u., 100 i.u. の4種を使用した。2回の処理を終えた雌は各群共個々に雄と同居させた結果, 注射量に関係なく処理雌の約78%が交配に成功した。そのうちで排卵数が最も多かったのは40 i.u. の群で最高48, 最少14, 平均20.6でこれは対照群の平均値の約2.5倍に相当する。受精率は排卵数の増加に従い逆に低下する傾向がみられるが, それでもなお40 i.u.注射の群の平均受精卵数は他の群のそれに比べ最も多く, 対照群の約1.8倍であった。受精卵の発生過程ならびに形態は無処理の対照群から得た受精卵と同様に発生を進行し, 正常であった。着床後の観察は交尾後15日目に行なった。しかし各群共に妊娠率は非常に低く, 特に80 i.u., 100 i.u. を注射した群は共に6.7%という低率であった。受胎数は20 i.u. 40 i.u. の両群では明らかな差は認められず, 平均11頭であった。産児数の平均は7.3頭で対照群の平均産児数と比べ大差は認められなかった。
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