ビタミンB6欠乏食給餌ラットにおける分枝鎖アミノ酸添加の影響
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概要
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ビタミンB6(B6)欠乏食給餌下,餌に4。75%(w/w)の分枝鎖アミノ酸(BCAA)を添加した時にラットの生体内に与える影響について検討した。餌にB6を含有したBCAA無添加食群(C群)と添加食群(aaC群),B6を含有しないBCAA無添加食群(D群)と添加食群(aaD群)の4種類の食餌で5週齢のウィスター系雄ラット各6匹を3週間飼育した。その結果,aaD群の半数のラットの肝臓にトリアシルグリセロール(TAG)の異常蓄積を認めた。また,aaC群ではセリンデヒドラターゼ(SDH)活性が他の3群よりも有意に上昇し,一方で血漿中のグリシン,トレオニン,リシン濃度がC群に比べ有意に低下した。次にaaD群の肝臓中のTAG量の相関性を調べたところ,血漿中のピリドキサールリン酸(PLP)とシトルリン濃度および,肝臓中のSDH活性との間に負の相関性が,一方で血漿中のトレオニン,グリシン,チロシン,リシン濃度との間には正の相関性が認められた。以上の結果から,十分なB6摂取状態であってもBCAAを添加した時に,ラットのアミノ酸代謝に変化が認められること,さらにB6欠乏の状態でBCAAを添加した時には,複合的なアミノ酸代謝の変化と,一部のラットの肝臓にTAGが異常に蓄積することを認めた。
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