細菌分類学とカルチャーコレクションの役割
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概要
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カルチャーコレクションには潜在能力のある数多くの微生物が研究成果の証拠として寄託され、それらが新しい研究の素材として活用されている。微生物株をその多様性と品質を考慮して適切に収集・保存し、利用者に提供できるように有用情報とともに公開するというカルチャーコレクションの役割は、バイオテクノロジーと生命科学の効率的な発展にとって不可欠の機能であるといっても過言ではない。そしてその学術的基盤である分類学とカルチャーコレクションは、持ちつ持たれつの関係にある。細菌分類学は分類体系の構築だけではなく、研究材料の選択や研究成果の評価にも重要な役割を果たし、カルチャーコレクションにおいて菌株の品質管理と収集戦略の策定においても重要である。一方、カルチャーコレクションは、細菌分類学において国際細菌命名規約に基づいた基準株の保存という役割を果たしているので、分類学は生物学を総合する学問として形態学、生理学、生態学などをその主要な基盤としていたが、最近ではこれらに加えて生化学、分析化学、分子生物学などの新しい技術や知見を積極的に取り入れ、従来の指標に基づく体系の評価を繰り返しながら日々進歩している。
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日本微生物資源保存学会 | 論文
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