微細藻類の非無菌培養株に共存して培養される細菌の群集組成
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概要
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MCC-NIESコレクション(国立環境研究所)において非無菌の状態で継代培養されてきた3株の微細緑藻Chlorella saccharophila NIES-640、Ulothrix variabilis NIES-329、Volvox aureus NIES-864について、それらの株と共存して培養されている細菌の組成を解析した。16S rRNA遺伝子の部分塩基配列の相同性に基づき、U. variabilis NIES-329およびV. aureus NIES-864の培養株には、既知の種と近縁ではないBacteroidetes門やProteobacteria門、Actinobacteria門に属する細菌が多く共存し、C. saccharophila NIES-640の培養株には、既知の種と近縁なBacteroidetes門やProteobacteria門に属する細菌が多く共存することが示された。本研究と過去の報告とから、例えばPhyllobacterium属細菌とChlorella属緑藻のように、一部の細菌が藻類との間に何らかの関係を持っている、または藻類の培養株に半選択的に集積される可能性が示唆された。本研究により、藻類-細菌相互作用の研究材料としての、非無菌の藻類培養株の潜在的な有用性が示された。
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日本微生物資源保存学会 | 論文
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