アルコール可溶性および水溶性フェノール樹脂を用いて工場生産された強化LVLの性能

概要

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木質構造の接合具として用いる強化LVLの強度性能向上を目的として、アルコール可溶性および水溶性フェノール樹脂を用いて強化LVLを製造し、その基礎物性を検討した結果、以下のような結論を得た。(1)接合ピンとして使用する平行積層強化LVLおよび接合板として使用する直交積層強化LVLの曲げ性能は見かけの密度から樹脂の固形分を差し引いた木質部実質の密度に比例して増大した。平行積層強化LVLのせん断性能および直交積層強化LVLの圧縮性能は見かけの密度に比例して増大した。平行積層強化LVLおよび直交積層強化LVLにおいて、縦使い方向の強度性能は平使い方向のそれより高くなった。(2)水溶性樹脂から製造した強化LVLはやや脆性的な強度性能を示したが、アルコール可溶性樹脂から製造したものは靭性に富んだ性質を有していた。(3)重量増加率が同じ場合には、アルコール可溶性樹脂から製造した強化LVLは水溶控樹脂から製造したものよりも寸法安定性が低くなった。接着剤を用いない場合には重量増加率が低いと直交層における接着層のはく離が生じたが、直交層に接着剤を塗布することによりはく離率が低くなった。(4)強度性能および接着性能を総合すると、重量増加率を低くして木質部の密度を高くし、かつ、直交層に接着剤を塗布したアルコール可溶性樹脂から製造した強化LVLが接合ピンおよび接合板として適していた。
奈良県森林技術センターの論文
2007-03-00

著者

中田欣作
奈良県森林技術センター

アルコール可溶性および水溶性フェノール樹脂を用いて工場生産された強化LVLの性能

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