スギ製材品のスリットおよび背割り処理による曲げ性能への影響

概要

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スギの梁材と柱材のスリットおよび背割り処理による曲げ性能への影響について、生材時に処理前後の動的ヤング係数と静的ヤング係数を比較するとともに、熱気乾燥と天然乾燥により気乾含水率以下に乾燥した後、実大曲げ強度試験を実施して、処理材の曲げ性能について検討した。得られた結果は以下のとおりである。(1)生材時における、スリットおよび背割り処理前後の動的ヤング係数と静的ヤング係数には大きな差は認められなかった。また、スリットの形状やスリット処理と背割り処理との差も認められなかった。(2)梁材では、静的ヤング係数が動的ヤング係数にくらべて約3%小さくなったが、柱材では静的ヤング係数は動的ヤング係数にくらべて約4%大きくなった。これは梁材ではせん断たわみの影響が、柱材では材外周部の材質が影響していると考えられた。(3)動的ヤング係数および静的ヤング係数の生材時と乾燥時の比(乾燥時/生材時)は、梁材ではそれぞれ1。15、1。11、柱材では1。14、1。17となり、生材時にくらべて乾燥時のヤング係数は約10～20%高くなった。(4)スリット処理材と背割り処理材の曲げ強度は、梁材、柱材ともに、機械等級区分、目視等級区分いずれの場合でも基準強度よりも大きかった。
奈良県森林技術センターの論文
2004-03-00

著者

中田欣作
奈良県森林技術センター

スギ製材品のスリットおよび背割り処理による曲げ性能への影響

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