牧草および飼料作物の系統適応性検定試験(29)
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概要
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山口県農林総合技術センターが育成したイタリアンライグラス「山系34号」および「山系35号」について,沖縄県畜産研究センター(今帰仁村)において,3年間にわたり系統適応性検定試験を実施したところ,その結果は以下のとおりであった。1。山系34号は1年目の初期生育に優れ,ワセユタカ比で生草収量が136%および乾物収量が135%で最も高くなった。2年目および3年目には初期草勢がやや劣り,2年目の生草収量および乾物収量はワセユタカ比でともに111%で優れ,3年目では100%および96%でやや劣った。2。山系35号は1年目から3年目を通して多収であり,ワセユタカ比で生草収量が106~133%,乾物収量で105~132%であった。3。山系35号のいもち病抵抗性は山系34号と同等かやや優れており,山系34号および山系35号のいもち病抵抗性はワセユタカに比べ優れている傾向が認められた。また,山系35号の冠さび病抵抗性はワセユタカに比べ優れているが,山系34号はワセユタカ並みであり,冠さび抵抗性に劣る傾向が認められた。以上の結果から,山系34号は利用年によって収量の変動が認められ,安定性に欠けており,また,山系35号は,収量性が高く,いもち病および冠さび病抵抗性をもつ優良系統であることが示唆された。
- 2012-10-00
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