アサリ増殖基質としてのカキ殻加工固形物「ケアシェル」の利用
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概要
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三重県鳥羽市浦村において,カキ殻加工固形物「ケアシェル」を網袋とともに敷設しアサリ増殖試験を行った。その結果「ケアシェル」の敷設によるアサリ個体密度の増加は確認されなかったが,敷設区でのみ殻長10mm以上の大型個体の出現が確認された。また,殻長3mm以下の稚貝の個体密度は,対照区に比べ敷設区で一時的に高かったが,その傾向は調査日で異なった。試験地では,航跡波によると推察される流速の変動成分の増加が観測されたが,流動環境の観測とせん断応力の算出による稚貝,堆積物および「ケアシェル」の安定性の評価によって,観測された流動環境下では,敷設の有無にかかわらず,堆積物や稚貝が移動させられることは少ないことが明らかとなった。今後は,敷設区において大型のアサリが多数出現したメカニズムを明らかにしていく必要がある。
- 2012-09-00
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