仙台湾アカガイの資源状況と管理手法の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,仙台湾におけるアカガイ資源の生態,分布状況,漁獲の実態を明らかにし,管理方策について言及した。本研究で得られた主な結果は次のとおりである。1。仙台湾のアカガイ資源は,近年の漁獲動向から低位水準,横ばい傾向にあると判断された。2。仙台湾におけるアカガイの分布密度を明らかにした。分布密度の変化からは,石巻湾で15m付近,南漁場と北漁場で20~25m付近に多く加入していることが推察され,ここの資源を大事に使うことが鍵になると考えられた。3。仙台湾アカガイの資源特性値として,全減少係数(Z)が1。47,自然死亡係数(M)が0。18,漁獲死亡係数(F)が1。29,成長式がSL(mm)=107[1-exp{-0。1736(t(令)+0。708)}],殻長・体重関係式がW(g)=0。0006725×SL(mm) 2。77,加入時期が3令を得た。4。アカガイ漁業の安定化に向けたシナリオとして,仙台湾全体で年間漁獲100t,漁獲金額2億円の目標を提示し,管理方策として殻長制限を70mmに上げることによる実現可能性を検討した。
- 宮城県水産研究開発センターの論文
- 2012-03-00
著者
関連論文
- イカ漁業のLCIと環境負荷
- わが国のイカ原料フロー,ゼロエミッション資源化技術および窒素収支
- 各種漁業・養殖業による環境へのCO2負荷の試算 (特集 漁業と石油とCO2--持続的生産へのもう一つの指標)
- 水産分野におけるライフサイクルアセスメント--生産から廃棄までの総括的な環境負荷の評価指標 (特集 持続性を問う指標と数値--マクロな視点の評価法)
- 宮城県における水産業の被害状況と今後の取り組みについて (震災特集)
- 無給餌養殖業のライフサイクルインベントリ分析 : ホタテガイ,コンブ,ワカメの事例として
- 宮城県産水産物のライフサイクルアセスメント--製品の環境負荷を可視化する (特集 宮城県の環境と経済の両立)
- 東北地方太平洋沖におけるサメガレイの成長様式および漁獲物の年齢構成
- 仙台湾におけるアカガイ Scapharca broughtonii 貝桁網の漁獲効率の推定
- 仙台湾アカガイの資源状況と管理手法の検討
- 仙台湾の「海の健康診断」
- 小型機船底曳綱漁業の漁業実態とエネルギー消費原単位
- 宮城県産サンマ缶詰のカーボンフットプリント
- 漁業のライフサイクルアセスメント : 理論と実践
- 水産物のLCAと環境負荷低減--イカとアナゴを事例として (第120回農産物流通技術研究会 研究例会講演録 農畜水産物の生産流通における環境負荷低減--ライフサイクルアセスメント(LCA)の視点から)