小型機船底曳綱漁業の漁業実態とエネルギー消費原単位
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
亘理地区における小底の漁業実態を整理した。また,小底及び漁獲魚種のエネルギー消費原単位を明らかにした。本研究から次の結論が得られた。1。亘理地区の小底の漁獲量は減少傾向で推移しているが,一隻一航海あたりの漁獲量は,ここ数年は高位で安定しており,平成21年の漁獲量は212t,漁獲金額は1億1,469億円,平均単価は541円/kgであった。漁獲物組成は異体類が多く,漁獲量の75%,漁獲金額の85%を占めた。2。亘理地区の小底は1日あたり4回程度操業するが,年間の操業日数は多い船でも100日程度であることから,操業日数の確保が課題とされた。また,漁獲物は積極的な活魚出荷による付加価値向上が図られていた。一方,漁業支出では軽油費が全体の34%と大きな値であった。3。小底のエネルギー消費原単位は,重量ベースで1。54L/kg,金額ベースで2,885L/百万円となった。また,漁獲魚種のエネルギー消費原単位は,マガレイが1。65L/kg,ヒラメが1。87L/kg,イシガレイが1。70L/kg,マコガレイが1。66L/kg,その他の魚類が0。91L/kgであった。4。エネルギー消費原単位は漁業評価の指標として有効に活用できるが,結果の解釈にあたっては,単位を含め,数値の意味するところに留意する必要がある。
- 宮城県水産研究開発センターの論文
- 2011-03-00
著者
関連論文
- イカ漁業のLCIと環境負荷
- わが国のイカ原料フロー,ゼロエミッション資源化技術および窒素収支
- 各種漁業・養殖業による環境へのCO2負荷の試算 (特集 漁業と石油とCO2--持続的生産へのもう一つの指標)
- 水産分野におけるライフサイクルアセスメント--生産から廃棄までの総括的な環境負荷の評価指標 (特集 持続性を問う指標と数値--マクロな視点の評価法)
- 宮城県における水産業の被害状況と今後の取り組みについて (震災特集)
- 無給餌養殖業のライフサイクルインベントリ分析 : ホタテガイ,コンブ,ワカメの事例として
- 宮城県産水産物のライフサイクルアセスメント--製品の環境負荷を可視化する (特集 宮城県の環境と経済の両立)
- 東北地方太平洋沖におけるサメガレイの成長様式および漁獲物の年齢構成
- 仙台湾におけるアカガイ Scapharca broughtonii 貝桁網の漁獲効率の推定
- 仙台湾アカガイの資源状況と管理手法の検討
- 仙台湾の「海の健康診断」
- 小型機船底曳綱漁業の漁業実態とエネルギー消費原単位
- 宮城県産サンマ缶詰のカーボンフットプリント
- 漁業のライフサイクルアセスメント : 理論と実践
- 水産物のLCAと環境負荷低減--イカとアナゴを事例として (第120回農産物流通技術研究会 研究例会講演録 農畜水産物の生産流通における環境負荷低減--ライフサイクルアセスメント(LCA)の視点から)