ベトナム紅河デルタ地域における兼業農家
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概要
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ドイモイ政策以降,ベトナム紅河デルタ地域は,外国資本の進出などもあり工業化が進んだ。一方,農村は,合作社の解体による個別経営への移行と兼業機会が増大したことにより所得水準が向上した。本論文は,在宅兼業が可能であり,都市への主要な農産物供給地であるHa Noi中央直轄市Soc Son県Bac Son行政村を事例として兼業農家の現状を整理したのちに,農外就業のプッシュ要因を明らかにした。具体的には,1)事例地では,農家の兼業化が進んでおり,家族員のうち後継者世代の多い農家から農外就業へ出ている。2)専業,1兼,2兼は同じレベルの1人当たり家計費であった。3)営農は,1兼が専業と同様に商品作目と自給作目の両方を生産しているのに対して,2兼は主に自給作目を生産している。4)農外就業の実態は,1兼では世帯主と後継者が主に農外就業を行っているのに対して,2兼では後継者と後継者兄弟姉妹が主に農外就業を行っていた。また,雇用形態,業種,就業場所には大きな違いがなかった。5)家族員の多い農家は必要な所得水準が大きく,農業所得だけでは所得が不足し,これがプッシュ要因となり,農外就業に出ている。
- 2012-03-00
著者
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