アンケート調査から見た施用堆肥からの肥料成分供給量の推定
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概要
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肥料は農業生産資材として植物生育に影響が大きいため,生産者は施用量について関心が高い。一方,堆肥は生育量に及ぼす効果が不明瞭であることが多く,施用量についてはそれほど厳密に取り扱われていない。実情は,有機物の施用量は価格を含めた入手の難易や施用労力によって規定されていると思われる。しかし,有機農業の広がりや,一部の堆肥において肥料効果が再認識されて来たことから,有機物から供給される肥料成分について肥料の代替効果を評価しておく必要がある。そこで,「土壌由来温室効果ガス計測・抑制技術実証普及事業」によって実施した府内101ほ場(127件)の土壌管理アンケート結果から,堆肥から供給される肥料成分を推定した。その結果,農地の種別で最も堆肥施用量が少なかったのは水田で,最も多かったのは施設であった。農地の種別で最大値であったほ場について堆肥施用量から肥料成分供給量を推定したところ,堆肥からの養分だけで施肥基準量を越える場合があった。逆に,一般的な施肥量と比較して堆肥の施用量が多くなかったのは,樹園地のイチジクと施設のミズナスであった。本報で示された有機物から供給される肥料成分の寄与実態は,有機農業生産者や特別栽培農産物生産者にとって技術的な参考になると考えられる。
- 大阪府環境農林水産総合研究所の論文
- 2011-03-00
著者
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