極小ミニ豚の血清 IGF- I 濃度と IGF- I レセプターの遺伝子構造および発現量

概要

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極小ミニ豚の体が小さい原因に成長ホルモン等が関与していれば、実験動物としての利用範囲が制限される可能性が考えられる。本研究では、極小ミニ豚の血清IGF-Ⅰ濃度、IGF-Ⅰレセプターの遺伝子構造、IGF-Ⅰレセプターの発現量を他のブタと比較し、違いがないか調査した。8週齢時の血清IGF-I濃度は、極小ミニ豚291.3±46.3ng/ml(n=3)、金華豚539.4±154.7ng/ml(n=8)、大ヨークシャ一種361.7±100.7ng/ml(ｎ=6) で有意差はなかった。IGF-Ｉレセプターの遺伝子構造を、極小ミニ豚と金華豚等と比較したところ、11カ所で多型がみられたがアミノ酸の置換は伴わなかった。IGF-Iレセプターの発現量は、極小ミニ豚と金華豚で同等であった。以上の結果から、極小ミニ豚の体が小さい原因は不明であったが、西洋種や金華豚と比較して体格は小さく、血液中のIGF-I濃度、IGF-Iレセプターの遺伝子構造および発現量に他のブタと違いはないことから、極小ミニ豚は実験用のミニブタとして汎用性のあることが示唆された。
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センターの論文
2011-01-00