「北海道における2009年多雨・寡照による農作物の被害解析」報告書 1 気象の経過と特徴
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概要
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2009年の温暖期の気象の特徴は,特に7月に低温と多雨が重なった点にあった。先行降雨指数(API)と今回考案した湿害指数(WII)の解析から,土壌が過湿になった日数が2008年に比べて多かった地域と,過湿になった日数はそれほどでもないが長期間連続していた点に特徴がある地域があることが明らかとなった。気温については,7月中下旬の経過に地域間差が見られ,また,東北地方と北海道とでも大きく異なっていた。7月中下旬は水稲の冷害危機期にあたり,水稲の作柄はこの期間の低温に対応し,北海道で作況指数89の不作に対して東北は100の平年作であった。この北海道と東北とで作柄に落差が見られる点で2009年は1992年,2002年と類似している。7月中下旬の低温期間でも水温は平年気温よりも高く,深水灌漑によって水稲の冷害を軽減できたと考えられた。
- 2011-01-00
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