機能性飼料開発に向けたトウモロコシおよびソバにおけるポリフェノールに関する分析手法の確立と植物生理学的研究
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概要
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植物に含まれる二次代謝産物,ポリフェノールは植物の生育に不可欠な物質ではないが,紫外線などの環境ストレスから植物組織を保護するために蓄積されると考えられている。本研究では,飼料用機能性トウモロコシの育種素材の確保のため,紫トウモロコシ在来種のアントシアニン含量,ポリフェノール含量ならびにDPPHラジカル消去活性の変異を調査し,その結果,ペルー産の在来種が機能性に優れることを明らかにした。次に,ペルー産の在来種を由来とする機能性に優れる紫トウモロコシ品種の育成に有効な近赤外分光分析による迅速定量法を開発した。穂芯と茎葉ではアントシアニン含量とDPPHラジカル消去活性を精度よく推定する検量線を作成することができた。紫トウモロコシを材料として,サイレージ調製を行った。その結果,サイレージ発酵してもアントシアニンが発酵品質を左右することはないことが明らかとなった。ソバを材料として,紫外線照射を環境要因としたアントシアニン含量の変動解析を行った。その結果,アントシアニジンに結合する糖鎖は,外的環境に応じて変化することが明らかになった。また,ソバに含まれ,家畜の光線過敏症を誘発するファゴピリンについて,高速液体クロマトグラフィーを使った正確な定量法を開発し,ダッタンソバよりも普通ソバの方がファゴピリン含量は少ないこと,および ソバの穀実にファゴピリンはほとんど含まれていないことを明らかにした。
- 2011-09-00
著者
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